世にも奇妙な人体実験の歴史

世にも奇妙な人体実験の歴史

世にも奇妙な人体実験の歴史


目次

はじめに マッドサイエンティストの世界にようこそ

第一章 淋病と梅毒の両方にかかってしまった医者―性病

第二章 実験だけのつもりが中毒者に―麻酔

第三章 インチキ薬から夢の新薬まで―薬

第四章 メインディッシュは野獣の死骸―食物

第五章 サナダムシを飲まされた死刑囚―寄生虫

第六章 伝染病患者の黒ゲロを飲んでみたら―病原菌

第七章 炭疽菌をばら撒いた研究者―未知の病気

第八章 人生は短く、放射能は長い―電磁波とX腺

第九章 偏食は命取り―ビタミン

第十章 ヒルの吸血量は戦争で流れた血よりも多い―血液

第十一章 自分の心臓にカテーテルを通した医師―心臓

第十二章 爆発に身をさらし続けた博士―爆弾と疥癬

第十三章 ナチスドイツと闘った科学者たち―毒ガスと潜水艦

第十四章 プランクトンで命をつないだ漂流者―漂流

第十五章 ジョーズに魅せられた男たち―サメ

第十六章 超高圧へ挑戦し続けた潜水夫―深海

第十七章 鳥よりも高く、速く飛べ―成層圏と超音速

あとがき 究極の自己犠牲精神をもった科学者たちに感謝





はじめに マッドサイエンティストの世界にようこそ

生半可な知識が危険だと言うなら、危険でないほど大量の知識を持った人間がどこにいるのだ。―トーマス・ハクスリー



第一章 淋病と梅毒の両方にかかってしまった医師―性病

ジョン・ハンター

兄も外科医志望だったが血を見て気絶し内科医に

7年戦争で創傷治癒の権威に

従来は弾丸を組織ごと摘出

ハンターは止血のみで弾丸も摘出せず


死刑囚(殺人犯)の死体が解剖可能に

教育目的と、罪を死刑よりも重くするため

処刑後に外科医と縁者の争い

死刑後や解剖中の蘇生も


墓の盗掘は犯罪ではない

外科医に売るために殺人した者も


米国の大学で献体の臓器をブローカーに売却した例

履歴をごまかして臓器移植に(感染症のリスクも)

新鮮なうちに売れば遺体は合計20万ドルに


ジョンハンターは動脈瘤に対して結紮(結果的にバイパスのようになる)


梅毒と淋病は同じ病気の異なる表現型だと考え、それを示すために自分に淋病を感染させ、梅毒の症状が出るか試した

梅毒の症状が出たが、元の患者が両方に感染していただけ



第二章 実験だけのつもりが中毒者に―麻酔


麻酔の必要性

華岡青洲は漢方を用いた麻酔を開発

鎮痛・鎮静・筋弛緩作用


ハンフリー・デービー

様々な気体を自分で吸入して効果を測定

亜酸化窒素

体に悪影響なく気分が高揚するので、一日に25l吸うようになった

外科手術への応用も考えたが、掘り下げず


ホレス・ウェルズ

笑気ガスを用いた見世物を見て、歯科手術への応用を考えた

十数例成功したが、公開実験では失敗し、失意のまま生涯を閉じる

クロロホルムの販売員になるが、通りすがりの女性に硫酸を投げて逮捕

獄中でクロロホルムで朦朧とした状態で脚の動脈を切り失血死


ウィリアム・モートン

ウェルズの仲間の歯科医

当時酒の代わりに嗜好品とされていたエーテルを用いた麻酔を行う

公開実験でも成功

金儲けのために新奇な物質として特許を主張するがすぐバレる

モートンエーテルの効果を教えたジャクソンと法廷で争い、ノイローゼに

一文無しの状態で死亡

ジャクソンもアルコール中毒になり保護施設で死亡


サミュエル・ガスリー

塩素エーテルの合成の際に誤ってクロロホルムを合成

クロロホルムのアルコール溶液を水で割って、飲料として販売


ジェームズ・シンプソン

産科医でエーテルを用いていたが、代替となる物質を探索

クロロホルムによる無痛分娩を開始

心臓麻痺の副作用

晩年、狭心症の治療にクロロホルム


フロイト

コカインを好んで使用

舌を麻痺させる性質に気づき眼科医に話すが、本人は追究せず


カール・コラー

眼科医で、コカインを局所麻酔に使用


1886年 世界初の腰椎穿刺

アウグスト・ビール

脊髄にコカインを注射してブロックを試みる

助手を実験台にして成功


英国の紙幣の80%、ロンドンの紙幣の99%はコカインまたはヘロインに汚染?


バローズ・ウェルカム社

クラーレの有効成分ツボクラリンを分離

臨床研究責任者のフレデリックプレスコットが被験者を買って出る

死にかけるが再度被験者に



第三章 インチキ薬から夢の新薬まで―薬


十八世紀 医学の学位は講義に出なくても20ポンドで買えた

十九世紀後半のハーバードの医学部でも、筆記能力の怪しい医学生が多かった

ヴォルテール「医術の本質は、自然が治癒をもたらすまで(あるいは、患者が死亡するまで)患者を楽しませることにある」

十八世紀は性病治療が内科医の主な仕事





第四章 メインディッシュは野獣の死骸―食物

第五章 サナダムシを飲まされた死刑囚―寄生虫

第六章 伝染病患者の黒ゲロを飲んでみたら―病原菌

第七章 炭疽菌をばら撒いた研究者―未知の病気

第八章 人生は短く、放射能は長い―電磁波とX腺

第九章 偏食は命取り―ビタミン

第十章 ヒルの吸血量は戦争で流れた血よりも多い―血液

第十一章 自分の心臓にカテーテルを通した医師―心臓


古代エジプト 死後に心臓の重さで正しさを評価されると信じた


聴診器 肥満の女性の胸が診察しにくかったために、紙を丸めて聞いてみた

ルネ・ラエンネック 木材旋盤加工技術があったので、聴診器を自作

重症患者の胸の音と、死後解剖による死因を照合



第十二章 爆発に身をさらし続けた博士―爆弾と疥癬

第十三章 ナチスドイツと闘った科学者たち―毒ガスと潜水艦

第十四章 プランクトンで命をつないだ漂流者―漂流

第十五章 ジョーズに魅せられた男たち―サメ

第十六章 超高圧へ挑戦し続けた潜水夫―深海

第十七章 鳥よりも高く、速く飛べ―成層圏と超音速

あとがき 究極の自己犠牲精神をもった科学者たちに感謝