オプションの話

下記ブログで紹介されているツイートが興味深かったのでメモ。

確実に儲かる方法「魔法の杖」を持ってない人は証券ディーラーとして生きていけない : 市況かぶ全力2階建

以下引用。


一般的なボラティリティのイメージは、相場急落時に上昇する、程度かな?オプションの価格形成まで理解してるのが普通、かな?よくわからんのだけど。
急落時に上昇することは間違いではないけど、ボラが高い状態がマーケットを下げる訳じゃない。

pic.twitter.com/JWptZe8oIh

赤がインプライドボラティリティ、青がヒストリカルボラティリティを示します

※インプライド・ボラティリティ(IV)予想変動率
ヒストリカル・ボラティリティ(HV)歴史的変動率


このグラフを見ただけで、「あれ?こうやったら儲かるんじゃない?」なんて思える人は今すぐ連絡ください(嘘です)。かなりディーラーに向いてます。
このグラフをぱっと見ると、基本的にインプライドの方がヒストリカルより高いなぁとか

ボラティリティ急騰後にたまにヒストリカルの方がインプライドを上回ってるなぁ、なんてことがわかります。

たまにヒストリカルの方が上回ってるなぁってことに気づいた人は目の付け所がいい人です。
これはインプライド・ヒストリカルボラティリティレシオと日経平均終値をプロットしたもの。

pic.twitter.com/oLZhunOnKk

このプロットはもの凄い金の臭がしますwww読み取れることはいっぱいあるんだけど、今回はインプライドとヒストリカルの逆転時とその後の動きについて。
プロットを見て分かる通り、ヒストリカルがインプライドを上回ることは、ほとんどありません。

細かく書くとなんでTwitterでやってんの?ってレベルの長さになるので、ポイントだけ。
1.急落時にはインプライドから立ち上がる(当たり前)
2.急落一巡後、ヒストリカルがインプライドを上回るケースが稀にある(見たまま)
3.その後またインプライドがヒストリカルを上回る状態回帰

さてこの時、インプライドが増加して状態回帰するのか、ヒストリカルが減少して状態回帰するのか、どっちでしょう?
これがわかると、状態反転時にどんなポジション取ればいいかわかります。

ちなみにここ数日、この珍しい状態(ヒストリカルがインプライドを上回る状態)が発生していました。プロットの一番右が今日前場途中。
んで、引けではインプライドがヒストリカルを上回っています(状態回帰)。今日起こったことなので考えやすいよね(笑)


そのポジションは何を収益の源泉として取りにいってますか?デルタですか?ベガですか?セータですか?明確に説明できない限りそのポジションは相場観にあってるとはいえません。

まとめるとこうなります。
1.自分なりの相場観を確定させる
2.許容リスクを明確にし、ポジションを持つ限り適格な管理をし続ける
3.ポジションに意図を反映させる
4.そのポジションの効率性を保つ(キレイであり続けさせる)

ある程度儲かってる人は、(3) まではできてる人はいます。でも(4)はなかなかいません。ディーラーであったとしてもです。
これは(3)までできてると、通常のマーケットではそこそこ儲かるからです。でも、いったん想定外のことがあるとこういう人は制御できない損失を抱えます。

たとえば、
「なんかマーケット下がると思うんだよね。だからプット勝っておこうと思う。」
「でも、今ボラティリティ高いし、思ったように下がらなかったらプレミアム取られちゃうのが嫌だ。」
「せっかくコールサイドも高いプレミアムついてるんだから、コール売ってプレミアム下げよう」


何を基準としたのかはさておき、このプレーヤは自分なりの相場観は持っているようです。リスクはどの程度理解できてるかは不明ですが、きっと許容範囲内でしょう。ポジションに意図も反映されています。

でもこのポジションは効率的ではないですよね?プット買ってコール売るなら先物売ってけって話




「キレイなポジション」の話は分からなくもないが、それで想定外の損失を防げるというものでもないような。

抱えているリスクを正確に把握するという意味はあるかもしれないけど。


ボラティリティの話は後で調べてみる。


ギリシャ指標(デルタ、ガンマ、ベガ、セータ)