国際収支について

国際収支統計 - Wikipedia

国際収支統計|国境を越えた取引の実態を知る


経常収支
貿易収支、サービス収支、所得収支、経常移転収支からなる。
貿易収支
財貨の輸出入をFOB価格で計上したもの。貿易統計をベースとするが、貿易統計が輸出をFOB価格、輸入をCIF価格で計上するのに対し、国際収支統計は輸出・輸入ともFOB価格で計上される。また、貿易統計が通関をもって取引を認識するのに対し、国際収支統計は所有権の移転をもって取引を認識するため、統計上の金額には違いが出る。
サービス収支
国境を越えた(居住者と非居住者の間の)サービスの取引を計上する。サービスとは、輸送、旅行、通信、建設、保険、金融、情報(コンピュータ・データサービス、ニュースサービス等)、特許権使用料、その他営利業務、文化・興行、公的その他サービスである。
所得収支
国境を越えた雇用者報酬(外国への出稼ぎによる報酬の受取等)および投資収益(海外投資による利子・配当金収入等)の支払い。
経常移転収支
政府間の無償資金援助、国際機関への拠出金など、資産の一方的支払いを計上する。出稼ぎ外国人の母国への送金。海外留学生への仕送り等


資本収支
居住者と非居住者の間で行われた資産・負債の受取を計上する。「投資収支」と「その他資本収支」からなる。
投資収支
国境を越えた直接投資(経営への支配を目的とした投資。原則出資比率10%以上)、証券投資、金融派生商品、その他投資(貿易信用、現預金の動き等)。
その他資本収支
資本移転(固定資産の取得・処分にかかる資金の移転等)、その他の資産の動きを計上。


外貨準備増減
政府通貨当局の管理下にある対外資産の増減。外為市場における市場介入による外貨の増減や、政府が保有する外債の利子の受取、円安による政府保有通貨の価値増加などによって増減する。財務省発表の国際収支総括表では、準備高増の場合は資金の流出であるためマイナス、準備高減の場合は流入のためプラスで表記される。


計上の具体例
輸出により代金を受け取った
(貸)輸出(貿易収支)×××
(借)現預金(投資収支)×××
輸入により代金を支払った
(貸)現預金(投資収支)×××
(借)輸入(貿易収支)×××
日本の旅行者が海外へ旅行し、ホテルで代金を支払った。
(貸)現預金(投資収支)×××
(借)旅行(サービス収支)×××
国債の利息を受け取った。
(貸)証券投資(所得収支)×××
(借)現預金(投資収支)×××
日本政府が、途上国に対する無償資金援助を行った。
(貸)現預金(投資収支)×××
(借)無償資金協力(経常移転収支)×××
日本企業が海外に工場を設立し、資金を送金した。
(貸)現預金(投資収支)×××
(借)直接投資(投資収支)×××
日本政府が、外貨買い介入を行った。
(貸)現預金(投資収支)×××
(借)外貨準備 ×××


基本的に「物を売る」と経常収支がプラスで資本収支がマイナス


投資収支とは?


いわゆる「投資」に当たるのは直接投資や証券投資で、「外国企業の株を買う」という行為も「投資収支」や「資本収支」という大雑把な枠で見てしまうとゼロになる。


1 世界経済の現状と今後の見通し