アダルトビデオ革命史

アダルトビデオ革命史 (幻冬舎新書)

アダルトビデオ革命史 (幻冬舎新書)


目次

はじめに

第一章 AV前史

第二章 AVの誕生

第三章 AV女優の成立

第四章 本番AVの時代

第五章 AVの新しい波

第六章 無修正へ

あとがき



はじめに

2007年 ビデ倫が起訴 インディーズに対抗するためにモザイクを減らす

小型ビデオカメラの普及や90年代の起業ブーム

年間1万タイトル以上


第一章 AV前史

狭義のAV 上映用(フィルム撮り)のロマンポルノなどを除く、かつ日本で合法的に取引可能

成人映画や裏ビデオと区別

1981年 ビデオ撮りされた初のポルノ映像 AVの嚆矢

「わいせつ」を具体的に定義した判決はない?

2005年 松文館コミック裁判

刑法175条の形骸化

審査機関 加入自由、法的権限なし(検閲になるので)

ポルノグラフィ ギリシャ時代の娼婦を描いた戯画

70年から71年にかけてポルノという語が日本で定着

50年代の西欧でわいせつ表現をめぐる法廷闘争

60年代には表現の自由の確立

60年代末に北欧を中心にポルノ解禁

北欧では外貨獲得にも寄与

62年 日本でピンク映画開始

67年 アメリカ下院で「わいせつとポルノに関する諮問委員会」

カトリック教系団体の圧力により

70年に出た委員会の答申は政府は規制をすべきでないというもの→ポルノ解禁

ニクソン大統領は反対

経営不振の日活がロマンポルノを作製(東映と洋画のジャパンビコッテもポルノ作製)

テレビの普及に対抗するために映画は過激さを売りに

VTR技術 50年代初頭に米国で開発、50年代末に日米で実用化

日本の電機メーカーも開発に参入、米国の製品を超える

70年代前半のビデオテープ 思ったほど普及せず、ポルノは数少ない成功例(モーテルでの利用)

代々木忠 日活のポルノ製作を受注(低予算)

72年に徳島のビデオリース業者が摘発(わいせつ図画頒布)

足掛け9年の日活ポルノ裁判

日活の摘発から1か月後に3社が「成人ビデオ倫理自主規制懇談会」を発足(映倫のビデオ版)

当面、ビデオ向けの作製を中止、映画のビデオ化に専念



第二章 AVの誕生

代々木忠「ドキュメント ザ・オナニー」

75年にソニーがベータマックス、76年にビクターがVHS

77年に松下がVHS採用

松下は低価格志向、巨大な販路を持つ

しばらくはベータとVHSが共存

競争による高性能化・低価格化

ENG(電気的ニュース取材)システム

ビデオカメラと小型VTR、現像作業を必要としない

80年代初頭には、スタジオと遜色ないレベルの移動用ビデオカメラが

81年 日活も愛染恭子の本番生撮りで追随

81年夏 宇宙企画が参入、ビニ本的手法

日本のAV 男女の性交シーンの比率が小さい

宇宙企画 小路谷秀樹 アダルトビデオを造語?

代々木作品は映画とビデオの中間的存在、小路谷は純ビデオ的

79年 星と虹の詩(最初の裏ビデオ

60年代後半 ビデオカメラとVTRがセットになった商品が販売、高価なので学校放送など

75年 初の民生用カラービデオカメラ(100万ほど)

78年 ビクターが45万の製品を発売

暴力団裏ビデオを作製して資金源に

70年代 ラブホテル隠し撮り作品「消し忘れ」

当時のラブホテルでは固定カメラによる撮影(自動消去)が可能だったが、業者と結託して録画

FAプロのヘンリー塚本 出張撮影業から

結婚式や運動会の依頼を想定していたが、性行為の撮影依頼もあった

宇宙企画以外の業者は元テレビor映画

塚本氏の手法は独特

小路谷氏はイメージフォーラム出身



第三章 AV女優の成立

AV女優 演技の指導を受けていない

日本のAVは初期からドラマ的ではなくドキュメンタリー的演出

ビニ本 80年代初頭に取次を介さずに流通

竹下ゆかり、渡瀬ミクが第二次ブームに貢献

出版業界での自主規制は取次が主体

86年に芳賀書店が警察の圧力を受け販売中止

80年代初頭のAVメーカーは、映画系列とビニ本系列

ビニ本系ではスカウトや雑誌のモデルから出演者

ビニ本は70年代初頭の「袋物」から?

当時は露出を避けるためではなく、グラフ誌(グラビア誌)の立ち読みを防ぐため(モデルにより部数が変わる)

外見の怪しさからかえって売れるようになった

70年代初頭の男性向けグラフ誌の増加 カラースキャナーの普及が貢献

スキャナの光電管技術→カラーテレビに

70年代後半に自販機本

当時のモデルはホステスなど

OLの太田智子が画期的な存在(ブリッコの先駆)

75年にGOROで篠山紀信の激写が開始

76年には美少女シリーズも

猥褻感とエロティシズムの分離

自販機本が問題視された後にビニ本が流行

田口ゆかり ビニ本からAVへ













第四章 本番AVの時代

第五章 AVの新しい波

第六章 無修正へ

あとがき