ゼミナール ゲーム理論入門
- 作者: 渡辺隆裕
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2008/04/08
- メディア: ハードカバー
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第一章
ゲーム理論<=>個人意思決定問題
ノイマン&モルゲンシュテルン『ゲーム理論と経済行動』(1944年)
1950年代、社会科学を塗り替えるものと期待されたが、分析される内容が豊かでなく失望感が広がる。
経済学者の間では研究が進行し、90年代から中心的な分析手法に。
現在は他の分野でも注目されている。
協力ゲームと非協力ゲーム
対立(競争)関係の有無の問題ではない。
行動選択の主体が個人ならば非協力ゲーム(一般的な「ゲーム理論」)
完備情報ゲームと不完備情報ゲーム
戦略形ゲームと展開形ゲーム
全てのプレイヤーが同時に行動するのは戦略形ゲーム
第二章
ゲームの解き方
各プレイヤーの立場に立ってみる
他のプレイヤーが選択した戦略に対し、どの戦略が利得が大きいか考える
他のプレイヤーの立場になって同様の思考を行う
支配戦略
他者の戦略に依存せずに、常に高い利得を生む
支配戦略均衡:全てのプレイヤーに支配戦略がある
囚人のジレンマも支配戦略均衡の一つ
数学者のタッカーが提案
支配戦略がない場合
様々な戦略(利得の最大化とか)が考えうるが、ゲーム理論では「相手がどのような判断をするか?」を考える。
最適反応戦略
相手の特定の戦略に対して利得の大きくなる戦略
二人のうち一方に支配戦略があれば、支配戦略とそれに対するもう一方の最適反応戦略が解となる。(最適反応戦略は、利得最大の戦略とは限らない)
弱者が(妥協したら何もかも失うので)支配戦略を持ち、強者が妥協せざるを得ないという場合もある。
もちろん、強者が支配戦略を持てば別だが。
支配戦略がない場合にどのような解が存在するか?
その戦略の組から自分だけ別の戦略を選んでも、利得が大きくならない
ナッシュ均衡は複数存在しうる(また広域解とは限らない)
ナッシュ均衡は存在しない場合も(混合戦略まで含めると必ず存在する?)
支配戦略も、相手の支配戦略に対する最適反応戦略も、ナッシュ均衡に包含される。
どのナッシュ均衡を選ぶべきか:均衡選択
第三章
完全情報:他のプレイヤーの選択がわかる
完備情報と区別する
展開形ゲームは木で考える
自分の選択後の相手の行動を先読みする(相手は合理的に振舞うものとする)
交互に多数回選択する場合でも、基本的には最後の選択肢から合理的な選択を決定していけばよい。
最後通牒問題
今回の交渉が成立しなければ決裂
決裂した時に利得がゼロになるのか、一定額存在するのかがポイント(基準点)
基本的に最後通牒権(これで成立しなければご破算)を握った方が有利
トークンを分け合う実験を各国で実施
1000トークンを分け合う
相手に払うトークンを指定し、相手が受けるかどうか
合理的には「0もしくは5」を指定すべき
実際は「400または500」が多い
アメリカでは500
日本では400(自分が600取る)
日本人は強欲?
提案後の相手の拒否率は同じくらいなので、「日本人は不利な条件も呑む民族」と考えることもできる。
第四章
弱支配戦略
相手の戦略に応じて、最良か、同等の利得(他の戦略より悪くはならない)
ナッシュ均衡となる戦略の一つが弱支配されている戦略の場合もあり、ナッシュ均衡と異なる(というか少ない)解を導く場合もある。
均衡の精緻化≒支配されるナッシュ均衡の(解からの)削除
後半はオークションの戦略の話
第五章
クールノー競争
シュタッケルベルグ競争
第六章
混合戦略:確率的に戦略を選ぶ
第七章
第八章
第九章
第十章
第十一章
第十二章