ダニエル・カーネマン 心理と経済を語る
- 作者: ダニエルカーネマン,Daniel Kahneman,友野典男,山内あゆ子
- 出版社/メーカー: 楽工社
- 発売日: 2011/03/01
- メディア: 単行本
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ダニエル・カーネマン 経済学の教育を受けてない
ハーバート・サイモンも心理学者でノーベル経済学賞
限定合理性
限定合理性(げんていごうりせい, en:bounded rationality )とは、合理的であろうと意図するけれども、認識能力の限界によって、限られた合理性しか経済主体が持ち得ないことを表す。この概念は、1947年にハーバート・サイモンが『Administrative Behavior』で提出した人間の認識能力についての概念であり、オリバー・ウィリアムソンはこの概念を取引コストに関わる経済学の基礎として据えた。
行動経済学は人間の非合理性を示したわけではない。
(限定合理的だと示したとは言える。)
経験効用と決定効用
人間は本当に自分の好みを理解して、経験効用の最大化を図っているのか?
人生の満足度を高める方法
3.注意し続けるものに投資すべし
車は買ってしまえばもはやさほど注意しないが、友人には注意し続ける
第一章 ノーベル賞講演
賭けの魅力
「50%の確率で1.5万ドル得て、50%の確率で1万ドル失う賭け」
「50%の確率で現在の財産+1.5万ドルを保持し、50%の確率で現在の財産-1万ドルを保持する賭け」
実質的な内容は同じだが、前者より後者の方が魅力的に感じられる。
18世紀の数学者・物理学者のベルヌーイは意思決定の論文も書いてる。
船が沈没するリスクがある時に、船を出すべきか否か?
それ以前は期待値(得られる利益と損失の確率加重平均)で考えるのが普通だった。
ベルヌーイ「得られる利益が同じでも、持っている財産で変わるのでは?」
単純な利益の多寡ではなく、期待効用(主観的な価値、満足度)で評価しているはず。
A、B、Cからなる食器セットと、A、B、C、D(ただしDはやや欠けている)からなる食器セット。
当然後者のセットの方が価値があり、両方のセットを見比べた時には後者が高く評価されるが、一方のみを見てそれぞれに値をつけると、前者の方が高くなる。
本来合計を求める場面で、人間は平均を求めてしまう。
つまり欠損してるDを含めることで、「食器の平均価値」が下がり、それが価格に反映される。
痛みも合計ではなく平均で評価。
第二章 自伝
フランスで裕福な暮らしをしていたが、ナチス進撃で非難
戦後イスラエルへ
早熟だがひ弱な子供
留年して友達ができる
10代後半には心理学者を志す
軍隊では小隊長の後、心理学部門で兵士の適性の評価
既存のマニュアルに従って評価するも、その後の成績との関連はほとんどないことが分かる。
「妥当性の錯覚」
若干21歳の中尉が、兵士の適性を評価する手法の開発を任される。
当時のイスラエルは建国されたばかりで人材不足。
UCBに留学。幅広く学ぶ。
精神分析理論学者のデイヴィッド・ラパポートを訪ねる。
オースティン・リッグス・クリニックは裕福な子女のメンタルケアを行っていた。
精神分析の拠点。
症例検討会にはエリクソンらも出席。
そこまで満足いく研究成果を出さないまま帰国し、ヘブライ大学で教職に。
研究の基礎を固めるため、視覚の研究に着手。
航空学校の教官に指導法を教える。
基本的に「褒めた方がいい」という内容。
教官から「上手くいった時に褒めると成績が下がるし、失敗した時に叱ると成績が上がる」という反論。
単純に平均への回帰ではないか?
数字を聴いて覚えると、数字が増えるにつれて瞳孔が開く。
復唱すると閉じていく。
エイモス・トヴェルスキーとの共同研究。
彼の専門が「判断と意思決定」
「私が人生で笑った回数のたぶん半分以上は、エイモスと一緒にいた間のことだと思います。」
「相手の言っていることの結末を言うこともできたし、お互いの言わんとしている冗談を先取りして言ってしまうこともできました。それでも、どういうわけかお互いを驚かせ続けることができたのです。」
「当初は第一著者、第二著者という考えすらなかったので、最初の論文を書いた時にコインを投げてどちらの名前を先にするかを決め、その後は論文を書くたびに、かわりばんこに名前を後先にしていました。」
「…私も、生煮えの考えを他人に披露することには慎重です。…でも、エイモスとの共同研究がいちばん波に乗ってる頃は、そんな用心深さなどまるっきりありませんでした。」