売買開始のタイミングについて

例えばユーロ円が下がっていたとして、(95円以下で)95円まで戻るだろうという読みがあったとする。

その状況でユーロ円が下がっていったとき、どこで買うべきか?


95円まで戻るという読みがあるなら、94円で買ってもいい。

しかしその場合、仮に1万単位買ったとすると、95円まで戻っても1万円の利益にしかならない。

その前に90円まで下がり、1円ごとに1万単位ナンピンした場合でも、それぞれを1円の利幅で決済すると合計でも5万円の利益に留まる。


もし90円まで待ってそこで5万単位買えば、すべてを95円で決済すれば25万円の利益になるし、1円上がるごとに1万単位ずつ決済していっても15万円の利益になる。

そんなわけで「待つ」ことによる利益の拡大が大きいという話なんだが、もちろんそこまで下がらず値を戻すかもしれないので、常に待つのが得策とも言えない。


上記の2つの策以外にも、次のような手が考えられる。


92円あたりで3万単位ほど買って、部分的に決済せずに、95円で売る。

→9万円の利益


1円下がるごとにナンピンするが、決済はすべて95円で行う

→15万円の利益


…最後の策は悪くないように思うが、95円以下で何度も上下した場合、最初の「1円上がるごとに決済(&1円下がるごとにナンピン)」の方がパフォーマンスがよくなるかもしれない。

ちなみに等間隔でナンピンしたものを決済せずにいた場合、半分値を戻した段階で損益がゼロになり、4分の3値を戻したところで全て決済すると、元の値で全て決済した場合の半分の利益が出る。

また元の値で全て決済した場合に出る利益は、最大の損失と同じ額になる。


肝心なのは、無限の資金があれば浅い値で買い始めても(ロスカットの心配がないしいくらでも買い足せるので)問題ないのだが、有限の資金で売買する場合、「長期的に利益が出る」ことだけでは不十分で、「単位時間当たりに最も利益が出る」買い方を考えなければならないということ。

上記の例でいくと、94円で買っても確かにいずれ利益は出るだろうが、93円まで待ってから買った方が早く利益が出るのならそうした方がいい。



P.S.経験上、買い始めた値よりかなり下がってナンピンし続けた場合、一気に値が戻ることを期待するのは悪くないんだが、買い始めた値よりもかなり低い値でボックス圏になってそこで稼ぐというのは現実的でないかも。

ゆえに「ナンピンしたものは買い始めた値まで売らない」は合理的かもしれない。

ただ最悪なのは買い始めた値の近くまで戻るが、そこでまた反発して下がり続けるというパターン。

現実的には「低い値でナンピンしたものは利幅を少し大きくする」といった折衷案が無難か。

低い値でナンピンすると資金に余力がない場合が多いので、そこで決済のタイミングを伸ばすのは心理的にキツイっちゃキツイんだけど。


折衷案で最初に買ったものは1円で決済し、買値が1円下がるごとに利幅を50銭上げた場合、

1+1.5+2+2.5+3=10万円。