学習理論の生成と展開
- 作者: 小牧純爾
- 出版社/メーカー: ナカニシヤ出版
- 発売日: 2012/12/31
- メディア: 単行本
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第一章 学習と学習理論
第二章 古典的条件付けをめぐって
第三章 動機づけをめぐって
第四章 道具的条件づけをめぐって
第五章 生物学的制約をめぐって
第六章 知覚学習と刺激の選択
第七章 回避学習と不安障害
第八章 学習性絶望と認知障害
新行動主義
初期
Tolman 認知論学派
Hull 連合主義学派
潜在学習、認知地図、場所と反応学習、移調
第一章 学習と学習理論
1-1 学習とは何か
Thorndike 結合主義
練習の法則、レディネスの法則、効果の法則
学習 経験(成長ではない)の結果として生じる比較的永続的な(疲労などの一時的な効果ではない)行動の変容
矢田部(1950) 代表化の法則、体制化の法則
Thorndikeの実験
目を閉じたまま4インチの線を書くように練習しても、それほど狭い範囲に収斂しない。
フィードバックを与える(線の長さを測り、4インチに近ければ「よろしい」と言う)と向上する。
Trowbridge 上記のような実験を4群に分けて行う
①何も言わない
②無意味な発語
③よろしいorだめと言う
④ズレを整数(正負のついた)で示す
成功率は②<①<③<④
フィードバックのない単なる反復が効果を持つかどうかは微妙
効果の法則(1911)
特定の状況でなされた諸反応のうち、満足を伴う、もしくは直後に満足をもたらす反応は、その状況に対してより強く結合され、反応は生起しやすくなる。
不快を伴うと逆に結合は弱められ、反応は生起しにくくなる。
Thorndikeの主張は人間と他の動物の両方に同じ法則が適用できるとした点で革新的。
複数の動物を用いて、種を跨いで一般性があるか検証も行っている。
効果の法則→強化の法則
種によらず成立する場合が多いが、成立しない課題も。
Bitterman(1975)は成立しない課題を報告している。
学習性絶望は様々な種で成立するとされていたが、最近の研究ではネコやキンギョでは成立が疑われている。
1-2 学習理論とは何か
経験を通じて何が学習されるのか?
Thorndike 連合主義
Tolman サイン・ゲシュタルト理論
連合主義内にも研究者による違いが。
Thorndike 外部的刺激と反応の連合が学習の本質
Hull 外部的刺激→微小予期目標反応(内部表象)→外示的反応
Spence Hullよりもさらに媒介主義的
サイン・ゲシュタルト理論
学習するのは環境要素の担う帰納的価値のみ
オペラント箱を用いた実験
古典的条件付け
習得、消去、自発的回復、分化、般化、制止、隠蔽、ブロッキング
Muenzinger 効果の法則に批判的
弱い電撃の効果を検討
効果の法則では「不快」は結合を弱めるはず
T字迷路で明るい側に報酬(暗い側だと何もない。その後試行を継続し、明るい側に移動できる)
①統制群 電撃なし(明るい側で報酬)
②電撃・正反応 明るい側で弱い電撃の後に報酬
③電撃・誤反応 暗い側で弱い電撃、明るい側で報酬
エラーのない日が二日連続するまでの日数 ①>>②>③
電撃・誤反応群で学習が速いのは頷ける(誤った選択に対して罰を与えることで、コントラストが大きくなる)として、電撃・正反応群でも統制群より速いのはなぜか?
Muenzingerの解釈 弱い電撃によって(全般的な覚醒を高めるなどの方法で)学習状況の意味のある手がかりに反応しやすくなった
その後は否定的な実験結果も
第二章 古典的条件付けをめぐって
第三章 動機づけをめぐって
第四章 道具的条件づけをめぐって
第五章 生物学的制約をめぐって
第六章 知覚学習と刺激の選択
第七章 回避学習と不安障害
第八章 学習性絶望と認知障害