医者ムラの真実
- 作者: 榎木英介
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2013/10/12
- メディア: 新書
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目次
第一章 誰が医者になるべきか
第二章 パンダと病理医―知られざる医師不足
第三章 取っても食えない博士号と基礎医学の危機
第四章 医者ムラの住人はインテリヤクザ?
第五章 医療を変えるのは誰か
医者には「長老」(再入学者)が多い
帚木蓬生、色平哲郎、吉田たかよし
第一章 誰が医者になるべきか
卒業生に対する国公立医学部合格者占有率
灘:40.6%、ラ・サール:34.9%、…
親が医師である医学部学生の割合
父が医師:25.2%、母が医師:0.5%、両親ともに医師:2.6%
医師の家系だと国公立:私立が半々くらい。
非医師家系だと、5:1に。
東大医学部の学生23人がマッキンゼーの就職説明会に
人口1000人あたりの医師数
日本はOECD平均(3.2人)より低く2.2人
ギリシャが高く6.1人
あとオーストリア(4.8人)、イタリア、スペインあたりが高い
医学部は、同じ大学の医学部の3割が近隣の進学校の出身ということも多い
追跡調査によると、推薦入学者の成績がよく、多浪者の成績が悪い
昔は教養課程(2年次)修了後に他の大学の医学専門課程を受けることができた
上記の制度はなくなったが、1975年に阪大が学士編入制度を開始
1990年代後半になって他の国立大学も追随
東海大は1988年に開始。定員も多い
精神科医には長老が多い
日本にもメディカルスクールの構想が
オーストラリア、イギリス、アイルランド、韓国は、大学医学部とメディカルスクールを併設
学士編入への批判
成績不良者が多い、地域に残る人間が少ない、基礎研究に残らない
メディカルスクールに対してもそうなるのではないかという危惧が
ごく一部の学生だけが学部卒の学士編入と、全てが学部卒のメディカルスクールは教育効果が根本的に違う。前者は一部だけなので、切磋琢磨できないから
少数派の再入学・編入組は、大学でも病院でも「浮かない」ようにするのに精一杯
「全国長老会」榎木さんが主宰
臨床実習前にオスキー(OSCE)と呼ばれる実技試験を導入する動き
モデルコアカリキュラムでは共用試験
第二章 パンダと病理医―知られざる医師不足
時津風部屋の暴行死亡事件
事件を隠そうとしたが、遺族が法医学教室に解剖を依頼したところ真相が発覚
臨床診断と病理解剖診断の不一致は50年間10%のまま
病理解剖が正しいのなら、臨床診断が間違っていることになる
病理解剖は患者ではなく病院が金を出す
最低必要医師数倍率
診療科ごとの有効求人倍率のようなもの
病理が一番高く、次いで婦人科
しばらく病理の話が続く
人口当たりの医師数について日米の比較
人口当たりの全体の医師数はやや米が多いくらい
病理や麻酔、救急は米国、他は日本が多い
病理医のいる病院はいい病院
第三章 取っても食えない博士号と基礎医学の危機
医歯薬保健系の博士は、全博士のうち36.3%
現在の基礎医学 50%が医師ではない
教授は8割が免許を持っているが、助教は7割が持ってない
米国でも基礎研究に進む医師は早い段階から減少
1979年に「医師研究者は絶滅危惧種」という論文
日本のいくつかの大学で、学士編入した学生を卒業後大学院に進学させ、博士号も取らせるプログラム
しかし実際に基礎研究に進む学生は少なかった→コース閉鎖
ただし、臨床をしながら論文を書いてる人間はそれなりにいるようだ
医学修士 20年の歴史 医学部以外の学生が医学科で研究し修士号(→さらに博士号)
基礎研究に進んだ人間はそれなりにいる
2年間では医学の知識が不十分?
「医学修士」が特にポスト獲得に有利になるわけではない(医学部の臨床の教員にはなれない)
理学部の方が医学部よりも、自由に議論できる(目上の人にも反論できる)雰囲気?
第四章 医者ムラの住人はインテリヤクザ?
国公立
旧帝>旧六(戦前の医学専門学校)>新八(戦前の旧制大学)>旧説医科大学(第二次大戦中)>新設医科大学(1970年代)
私立
私立旧制医科(慶應、慈恵、日本医科)>日大>旧設私立医科(戦後に医科大学に)>新設私立医科
教授戦後に大量に辞めるケースも
榎木さんの所属していた大学も教授戦後に、他の病理医が全員辞めた
大学の学長は医学部と工学部が多い
一般に教員が多く、票をたくさん持ってる
プロパー プロパガンティスト、製薬会社の宣伝担当
1993年から「プロパー」はなくなり、MRに
2011年 日本製薬工業協会
情報提供に伴う飲食の提供は5000円まで
第五章 医療を変えるのは誰か
医学部定員 2007年まで:7625人→2013年:9041人
イタリアやスペインでは医師が増えすぎて失業?
信頼できる情報かは謎。
ミルトン・フリードマン あらゆる資格は既得権を守るだけだから不要
勤務医の医師会 全国医師連盟
全国医師ユニオン