医者ムラの真実


目次

第一章 誰が医者になるべきか

第二章 パンダと病理医―知られざる医師不足

第三章 取っても食えない博士号と基礎医学の危機

第四章 医者ムラの住人はインテリヤクザ

第五章 医療を変えるのは誰か



医者には「長老」(再入学者)が多い

帚木蓬生、色平哲郎、吉田たかよし


第一章 誰が医者になるべきか


卒業生に対する国公立医学部合格者占有率

灘:40.6%、ラ・サール:34.9%、…


親が医師である医学部学生の割合

父が医師:25.2%、母が医師:0.5%、両親ともに医師:2.6%


医師の家系だと国公立:私立が半々くらい。

非医師家系だと、5:1に。


東大医学部の学生23人がマッキンゼーの就職説明会に


人口1000人あたりの医師数

日本はOECD平均(3.2人)より低く2.2人

ギリシャが高く6.1人

あとオーストリア(4.8人)、イタリア、スペインあたりが高い


医学部は、同じ大学の医学部の3割が近隣の進学校の出身ということも多い


追跡調査によると、推薦入学者の成績がよく、多浪者の成績が悪い


昔は教養課程(2年次)修了後に他の大学の医学専門課程を受けることができた

上記の制度はなくなったが、1975年に阪大が学士編入制度を開始

1990年代後半になって他の国立大学も追随

東海大は1988年に開始。定員も多い


精神科医には長老が多い


日本にもメディカルスクールの構想が

オーストラリア、イギリス、アイルランド、韓国は、大学医学部とメディカルスクールを併設


学士編入への批判

成績不良者が多い、地域に残る人間が少ない、基礎研究に残らない


メディカルスクールに対してもそうなるのではないかという危惧が

聖路加国際病院院長の福井次矢氏らが反論

ごく一部の学生だけが学部卒の学士編入と、全てが学部卒のメディカルスクールは教育効果が根本的に違う。前者は一部だけなので、切磋琢磨できないから


少数派の再入学・編入組は、大学でも病院でも「浮かない」ようにするのに精一杯


「全国長老会」榎木さんが主宰


臨床実習前にオスキー(OSCE)と呼ばれる実技試験を導入する動き

モデルコアカリキュラムでは共用試験



第二章 パンダと病理医―知られざる医師不足


時津風部屋の暴行死亡事件

事件を隠そうとしたが、遺族が法医学教室に解剖を依頼したところ真相が発覚


臨床診断と病理解剖診断の不一致は50年間10%のまま

病理解剖が正しいのなら、臨床診断が間違っていることになる


病理解剖は患者ではなく病院が金を出す


最低必要医師数倍率

診療科ごとの有効求人倍率のようなもの

病理が一番高く、次いで婦人科


しばらく病理の話が続く


人口当たりの医師数について日米の比較

人口当たりの全体の医師数はやや米が多いくらい

病理や麻酔、救急は米国、他は日本が多い


病理医のいる病院はいい病院



第三章 取っても食えない博士号と基礎医学の危機


医歯薬保健系の博士は、全博士のうち36.3%


現在の基礎医学 50%が医師ではない

教授は8割が免許を持っているが、助教は7割が持ってない


米国でも基礎研究に進む医師は早い段階から減少

1979年に「医師研究者は絶滅危惧種」という論文


日本のいくつかの大学で、学士編入した学生を卒業後大学院に進学させ、博士号も取らせるプログラム

しかし実際に基礎研究に進む学生は少なかった→コース閉鎖

ただし、臨床をしながら論文を書いてる人間はそれなりにいるようだ


医学修士 20年の歴史 医学部以外の学生が医学科で研究し修士号(→さらに博士号)

基礎研究に進んだ人間はそれなりにいる

2年間では医学の知識が不十分?

「医学修士」が特にポスト獲得に有利になるわけではない(医学部の臨床の教員にはなれない)


理学部の方が医学部よりも、自由に議論できる(目上の人にも反論できる)雰囲気?



第四章 医者ムラの住人はインテリヤクザ


国公立

旧帝>旧六(戦前の医学専門学校)>新八(戦前の旧制大学)>旧説医科大学(第二次大戦中)>新設医科大学(1970年代)


私立

私立旧制医科(慶應、慈恵、日本医科)>日大>旧設私立医科(戦後に医科大学に)>新設私立医科


教授戦後に大量に辞めるケースも

榎木さんの所属していた大学も教授戦後に、他の病理医が全員辞めた


大学の学長は医学部と工学部が多い

一般に教員が多く、票をたくさん持ってる


プロパー プロパガンティスト、製薬会社の宣伝担当

1993年から「プロパー」はなくなり、MRに


2011年 日本製薬工業協会

「企業活動と医療機関等の関係の透明性ガイドライン

情報提供に伴う飲食の提供は5000円まで




第五章 医療を変えるのは誰か


医学部定員 2007年まで:7625人→2013年:9041人


イタリアやスペインでは医師が増えすぎて失業?

信頼できる情報かは謎。


ミルトン・フリードマン あらゆる資格は既得権を守るだけだから不要


医学生の会 厚労省に提言


勤務医の医師会 全国医師連盟


全国医師ユニオン