確率・統計でわかる「金融リスク」のからくり

確率・統計でわかる「金融リスク」のからくり (ブルーバックス)

確率・統計でわかる「金融リスク」のからくり (ブルーバックス)


ひたすらボラティリティについて説明する本だが、はっきり言ってトンデモ。

「長期的な投資ほどリスクが大きい」というのは、レバレッジが同じならある程度正しいが、普通はレバレッジを小さくするだろうし。

そもそも為替の値動きがブラウン運動だと仮定しているのに(その仮定は金融機関では一般的だが)、「長期的動向」を論じるのがナンセンス。

長期的な値動きになれば、当然ファンダメンタルズが効いてブラウン運動から乖離するので。


それにしてもブラウン運動を仮定するなら、せめて対数軸で考えるべきなのでは?

素人向けの配慮なのかもしれないが、「1ドル=100円」から「1ドル=10円」になる確率も「1ドル190円」になる確率も同じ、などという数字を出してしまっているので、さすがに致命的だと思う。

この辺は金融機関ではある程度考慮していると思うけど。